みのむしランニングクラブ

ブラック企業から超絶ホワイト企業への転職に成功するものの底辺部署に配属され困惑の日々と闘うポンコツサラリーマン兼初心者市民ランナーの日常ブログです。

【読書記録】村上春樹・ねじまき鳥クロニクル

ランニングの合間の読書記録📚

 

今回は村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」について、以下レビューいたします!

 

 

 

 


あらすじ&構成

主人公は30代の岡田トオル。「妻のクミコ失踪」が契機となり、消えた猫、予言者姉妹、戦時体験者など不思議な人物たちと交錯しながら、自らのアイデンティティや過去と向き合っていきます。
上中下の三部構成で、幻想と現実、心理と歴史が複雑に混ざり合う重層的な展開が魅力です。

 

テーマと魅力

「現実と非現実」のあわいとしての物語

日常に潜む狂気や異界への入り口が、幻想的かつリアルに描かれています。


「根源的な悪」への対決

ユング心理学的な井戸(無意識)へと降りる描写があり、人間の深層に潜む悪への対峙が物語の核。主人公が無意識世界=戦場と向き合う場面が印象深いです。


「戦争と記憶」

満州やシベリア留置など戦争の記憶がトオルの今と交差し、歴史的な罪と個人の苦悩が重ねられています。


「死と孤独」

幼い少女メイの「人が死ぬのって素敵よね」という不思議な言葉や、複数の登場人物に纏わる死の影が、作品全体に重層的な陰影を落とします。


こんな人におすすめ

幻想と現実のあいだを旅するような文学が好きな方
戦争や死、生の深層テーマに興味がある方
村上春樹作品でより重厚なストーリーを求めている方

 

総評

ねじまき鳥クロニクル』は、幻想・無意識・歴史・個人の苦悩を縦横に描いた圧倒的な長編で、読むたびに新たな発見が生まれる傑作です。重厚さとミステリアスさ、詩的な語り口に引き込まれる体験をぜひ味わってみてください。

 

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